今日、X(旧ツイッター:@yves4tune)の方で『(占術の)正しさを求めるな』という投稿をしたのですが…
だいぶ柔らかく表現したと思います。
本当はもっとハッキリ『(占術の)正しさを求める人は相談者さんから嫌われます』と言うべきでしょうね。
理由は簡単です。
相談者さんにとって占術の正しさなんて、どうでもいいからです。
ガッカリしましたか?
私も気づいた当時はガッカリしました。
「そんなこと、求められてもいなかったんだ…」と。
当たる占術、完璧な占術、歴史と正統性をもつ占術、そういったものさえ身につければ人気占い師になれると思っていました。
ですが、よく考えれば当然ですよね。
相談者さんは占いのプロではありませんし、私の占い方が正しいかどうかもわからないんですから。
わからないものに何を感じることはできないでしょう。
今こうして教える立場になって、ようやく役立つ場面も多くなってきましたが、最初から『ちゃんとした』占術を追いかけてしまったことは正直『時間の無駄だった』と思っています。
鑑定でお金をいただいていた頃は「もっとすごい占術を身に着ければ…!」なんて考えていました。
霊感でズバズバ当てる人気の先生、高度な占術でセレブから絶大な信頼を得る先生、私なんか足下にも及ばない。
特に霊感が強いわけでもない、すごい霊視ができるわけでもない、超能力のような的中率があるわけでもない。
残った可能性は『すごい占術』でそれを補うこと。
高度な占術を扱う先生のお話を聞きに行ったりもしました。
難解な占術の書籍も読み漁りました。
話を聞けば聴くほど、難解な占術を理解すればするほど、私の評価は…!
上がりませんでした。
興味を持って聞いてくださり、評価してくれたのは同業の方くらいです。
同じような占いオタクの。
そして、高度な占術を扱う先生のお話も、聞けば聞くほどツッコミどころしか見えてこない。
「どうしてそうなった?」の部分が曖昧で、一貫性もなければ論理的でもない。
完璧とは程遠い占術であることがわかってしまいました。
なのに…その先生のお話は深く、頷かせるだけの説得力がありました。
自分の占術研究も、やればやるほど穴だらけ。
歴史ある占術も、新しい占術も穴だらけ。
論理的に破綻していたり、矛盾が多かったり。
よくこれをまっとうな占術として受け入れられたものだ、と正直思いました。
そして、悟りました。
『占術じゃない』と。
占い師で食べていくことを考えた時、占術はスパイスのようなものです。
それがメインじゃありません。
『コショウを利かせたラーメン』はよくても、『ラーメン風味のコショウ』は嫌ですよね。
コショウそのものなんて、辛くて食べられたものではないでしょう。
利かすくらいで丁度いいんです。
占術がメインになってしまったら、それはラーメン風味のコショウなんです。
占術的説明がメインの鑑定なんて求められていません。
占術は、そこそこで大丈夫です。
私も色々知ってはいますが、鑑定時に…
・タロットで使うスプレッドはほぼ一種類です
・手相は基本線と手の形、丘をざっくり
・西洋占星術はホールサイン、特異点は見ません
・東洋占星術は五行がメイン、細かいものは見ません
・不要と判断した要素は読みもしません
そんな適当な…と思われましたか?
ちゃんとやらなきゃ相談者さんに失礼だと思いましたか?
それこそが占い師のエゴです。
相談者さんは貴重な時間を使って相談に来られているんです。
どうでもいい、よくわからない話を聞きに来ているのではありません。
その上、難解な占術をこねくり回したから納得の行く解決方法にたどり着くとも限りません。
占い師の先生がうーんと唸って、ああでもないこうでもないと考える間、相談者はただ黙って待つなんて時代はとっくに終わっています。
そして、何時間かかっても良いから占ってもらいたいというような重大な問題を、その辺にいる一見占い師になんて相談しません。
親の代から頼っているとか、全国でも知る人ぞ知るとか、有名な先生の後継者だとか、そういう人の所へ相談に行くものです。
そういうレベルにでもならない限り、占術の正当性や歴史があるかどうかなんてどうでもいい話です。
多くの占い師さんにとっては、相談者さんに好かれることの方がよっぽど大事でしょう。
正しい占術を修得するより、相談者さんのニーズに応えられる最低限の占術レベルに達しているかどうか。
まずはそこです。
そして、そのレベルはあなたが思うより、かなり低いと思ってください。
ですから、これから稼ぎたいと思うなら、「まず占術を極めよう!」とは思わないでくださいね。
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