鑑定をしていて「イイコト言ってるはずなんだけど、イマイチ響いていない気がする…」と思うことはありませんか?
あなたに鑑定してもらって「ありがとうございました!すごく腑に落ちました!」なんて言っていた相談者さんが、次の日には他の占い師さんに同じことを聞いている…なんてことはありませんか?
「私は大切な気づきを与えたはずだし、私もその気づきに救われたし、これ以上の答えはないはず!」
の、はずなのに…相談者さんに全然響いていない。
確かに、あらゆる物事は抽象度を上げて観察すればごくシンプルな情報に集約されます。
悩みに対する回答だって、抽象度を上げて考えるなら「悩みを作り出しているのは自分なのだから、悩むのをやめればいい」ということになってしまうでしょう。
占い師さんになる人は、大変な苦労された経験を持つ方が多いです。
自分が苦悩の末に悟った抽象度の高いアンサーを、つい「あなたもそうすればいい」と言いたくなるのはわかります。
ですが、そればかりでは相談者さんに納得していただくのは難しいでしょう。
相談者さんからは「この先生、そればっかりだな…」なんて思われているかも知れませんよ。
「そうは言っても、結局この答えで全て解決じゃないか!」
なんて思っていませんか?
確かにそうですけど、相談者さんは悩みの解決法が知りたくて来ているばかりではないのです。
・自分の苦悩や苦労には、どんな意味や価値があったのか
・自分の行動は何が正しく、何が足りなかったのか
・自分が得るべき結果や未来が、どれほど素晴らしいものなのか
こういうことが聞きたくて相談に来られる方もたくさんいらっしゃるのです。
ここに抽象度の高い答えは響かないでしょう。
「苦労はあなたの財産ですよ、与えられたギフトですよ」
「この世界には間違ったことも、足りないものもありませんよ」
「生きている、それだけで最高で、素晴らしいことなのです」
自分の感情に溺れて全力でもがいている人に、こういう言葉は届きません。
『飢えた人には魚を与えず、魚の釣り方を教える』という教訓がありますね。
確かに、これは大切な考え方であると思います。
しかし、現実として飢えて死にそうな人に必要なのはやはり魚の方でしょう。
釣り竿を与えたところで、魚を釣る前に飢え死にするかも知れませんよね。
『飢えた人には魚を与えて、後に釣り方を教える』が最適解ではないでしょうか。
つまり、悩みのどん底にある人にとって、抽象度の高い答えは釣り竿と同じだ、ということです。
抽象度の高い答えは、それなりの心の構えが出来上がっていないと、取り入れることができません。
幼稚園児に量子物理学の講義をするようなものです。
抽象度の高いメッセージが刺さる相談者さんは、心の構えが出来上がっていたというだけです。
基本的に、最初からその状態で相談に来られる方は稀だと思っていただいて間違いありません。
まずは、相談者さんの求めに応じつつ相談者さんへの理解を深め、心の構えのレベルに合わせた最適なメッセージを処方すること。
これを心がけてみてくださいね。
さて、いかがでしたでしょうか?
あなたの鑑定に役立てていただけたら嬉しく思います。
相談者さんがどのタイミングで、幸せを掴むかは誰にもわかりません。
あなたの次に相談した占い師さんの時かもしれませんし、友達からの一言がきっかけになるかも知れません。
ですが幸せになる過程に関われることこそが、占い師としての誇りだと思ってほしいのです。
『幸せの原因が私でなくても構わない、タイミングに応じた言葉を贈るだけ』
私はそう思います。
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