突然ですが…
どこかで聞いた
『名言』
『カッコイイ言い回し』
『自分が感動したセリフ』
を鑑定の中で多用していませんか?
しかも…
『言うチャンス』を伺ってませんか?
ドキンコメーターが上がっちゃいましたか?(笑)
イイコト言ってるワタシ、に酔っちゃダメです。
熱く語る占い師と引き気味の相談者さん、というシーンは嫌になるほど目撃しました。
(次はないな…)という相談者さんの心の声が聴こえてくるようでしたよ。
悟ったようなキメ台詞を言いたい気持ちはわかるんですよ。
賢者気分を手軽に味わえますし。
相手が尊敬の眼差しで見てくれたり、感動してくれたら『してやったり』ですもんね。
でも、それ誰得ですか。
相談者さんではないですよね。
私はいつも、ここだけは厳しく言います。
「自分が気持ちよくなりたいなら、相手にお金を払いなさい」と。
相談者さんは、苦しいのを何とかしてもらいたくて来ています。
「お金を払いますので、どうぞ先生が気持ちよくなってください」
なんて言うわけがないじゃないですか。
マッサージに行ったのに、何故か自分がマッサージ師の肩をもむハメになるようなものです。
「ちょ、あんたがお金払ってよ!」ってなりますよね(笑)
占い師が気持ちよくなりたいケースは、アマチュア占い師さん、売れない占い師さんに多いです。
アマチュアの人がそうなるのは無理からぬことですし、最初はそれで良いと思います。
いわゆる『占い師気分』を味わうためにやっているんだと思いますから。
でも、お金をいただくプロになった方がそれでは…いただけませんね。
だいたいの原因は承認欲求でしょう。
尊敬されたいとか、先生のおかげですって言ってほしいとか、自分の言葉で感動させたいとか…そんなところでしょう。
要するに、占い師としての自信がない。
そして、相談者さんの本当のニーズがわかっていない。
だからそんなことをしてしまうんでしょうね。
自己陶酔鑑定を受けて、相談者さんが感じることは…
「わかったようなわからんような、でも占い師は『最高の答え言った』みたいな顔してるし、まあ占いってこんなもんなのかな?」
といったところでしょう。
で、レビューに「よかったです。また何かあったらお願いします。」みたいなことを書いて、おしまい。
おそらく、二度と来ません。
残念すぎませんか?
でも、これはよくあるケースなんです。
やめましょうね、自己陶酔鑑定。
ダメ、ゼッタイ。(笑)
キメ台詞や名言は使い所が大事です。
水戸黄門が最初っから印籠を見せびらかしながら歩いてたら、さぞつまらない時代劇になるでしょう。
名探偵が現場についた途端、「犯人はこの中にいる!」って言い始めたら「はぁ」ってなりますよね。
話の急所に差し掛かった時に言うからキマるんです。
「自分を閉じ込めないであげて」
「辛かっただろうけど、あなたはこれから幸せにしかならないよ」
そんな言葉も、ここぞという時に言うから刺さる。
話もロクに聞かずに
(あー、なんかこの人抑圧的だな~。そんなこと思う必要ないのに可哀想~。よっしゃ、)
「あのね、自分を…」
なんていうのが一番刺さらないパターン。
その後は↓
相談者さん「そうですかね~?」。
占い師「ええ、そう。(あっれ?ここウルっと来る所じゃない?)」
こんな経験、ありませんか?
ダメなんです。
台詞ありきの鑑定なんて。
言葉は処方するもの。
相談者さんの話を聴き、理解を深め、必要な言葉を考える。
その先に、ようやく処方すべき言葉が見つかるんです。
イイコトや、カッコイイ言い回しを言う機会を虎視眈々と狙うより、まずは普通に、丁寧に、話を聴き、伝えること。
上手な喋りより、誠実な対話を。
リピートは信頼の証。
信頼を勝ち取るために必要なのは、着飾った言葉ではなく、ツボを心得た素朴な言葉。
平易な言葉で語りましょう。
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