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邪魔する経験―他人は常にあなたより辛い。

目安時間 4分

他人の気持ちがよくわかるんです…

自分も辛い目に遭ってきたから。

頑張って乗り越えてきたから、

きっと誰かの役に立てると思うんです!

そういう占い師さん、多いです。

辛い目に遭わなければ、

辛い目に遭っている人の気持ちは

リアルにわからないですものね。

その経験はとても貴重なものです。

が。

あなたのやり方で他の人も同じように

辛い状況を乗り越えられると思ったら

それはとんだ『カン違い』です。

まず状況が違います。

取り巻く環境が違います。

何より、感じ方が違います。

 

辛い例を出して申し訳ないのですが…

夫からDVを受けているとしましょう。

あなたは忍耐の末、お子さんと共に家を

飛び出し、無事離婚できました。

あなたは言います。

「子どもの未来を守りたい一心で」

さらに言います。

「大切な人の事を思えば乗り越えられる」と。

しかし、同じくDVを受けているという

相談者さんが来たとして。

もしその方に子どもがいなかったら。

もし子どもより自分が大事だったら。

過去に逃げて捕まり、さらに酷い目に

遭っていたら。

あなたの

「大切な人の事を思えば乗り越えられる」は1ミリも響かないでしょう。

むしろ

「先生は私の気持ちを理解してくれない」と思われるでしょう。

あなたができることを、他の誰かも同じ
ようにできると思ってはいけません。

もしそう思っていると、

あなたのアドバイスを実行できない人に

対して苛立ちを覚えることになります。

「これしきのこともできないなんて!」
「結局行動する気がない!」

「他力本願で人生は変わらない!」

こんなことを言い出すようになります。
実際、そういう方を何人も見てきました。

困難を乗り越えた経験。

そこから来る自信。

それは素晴らしい財産です。

ですが、乗り越え方は人それぞれ。

あなたより弱い人も、強い人もいます。

だからと言って、何も言えないわけでは
ありませんよ。

私達占い師がやるべきは、それぞれの

状況を深く理解することです。

相談者さんの性格も含めて。

相談者さんの幸せを妨げる理由。

何が足を引っ張っているのだろう。

なぜ動かないことを選択したのだろう。

なぜ怖いんだろう。

本人ですら気づかない深層へと入っていく必要があるんです。

ただ、そういう時にこそあなたの

辛い経験、リアルな感情が役立ちます。

「あの時、アレが怖かったな」

「こういう不安があったな」

「何もできないと感じてたな」

「もしかしたらこの人も…」

と、イメージを広げていけますね。

それが相手を理解する糸口です。

経験を糸口としてイメージを広げ、

相手を理解する足がかりにする。

イメージを足がかりに、相手の奥深くへ
入っていく。

相談者さんを理解するというのは、

こういう作業です。

すると、自然と相手を理解した言葉が出てきます。

寄り添おうと頑張らなくても、寄り添った言葉が出てきます。

全ては相談者さんへの理解。

鑑定というコミュニケーションは理解から始まるのだと思ってくださいね。

 

いかがでしたでしょうか。

あなたの経験は、相談者さんの心の

奥深くへ、辿り着く鍵となるもの。

誰よりも悩んでいる人の気持ちがわかる
素敵な占い師になってくださいね。

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