枚数:78枚
タテ:120mm
ヨコ:63mm
厚さ:0.34mm
重さ:250g
タテ:126mm
ヨコ:68mm
高さ:36mm
簡易説明書(64p 英・仏)
タテ:122mm
ヨコ:64mm
厚さ:2.7mm
重さ:15g
\5,400-
GRIMAUD
ライダー版、トート版などに慣れ親しんでいると「読めるのか?」と思わずにはいられない。
あまりにも違う、というのが率直な感想。
アンティーク、エキゾチックな印象が興味をそそる。
難解な雰囲気を漂わせるが、ぜひとも使いこなしてみたいと思わせる通好みの雰囲気。
表面はマットなビニールっぽいコーティング。
カード同士がくっつく感じはない。
程よい厚み、しっかりとしていると感じられる。
やや縦長のカードで、大きめ。
ちなみに、パッケージの画像をみてもらうとわかるが、このタイプの箱は開け閉めがしやすくて良い。
中世18世紀のフランスに生まれた占い師ETTEILLA(エッティラ・本名:Jean-Baptiste Alliette)によるタロットカードの復刻・普及版。
現代のタロットカード占術の基礎を作ったと言っても過言ではない、タロット占いの始祖ETTEILLA。
タロットカードに占星術などの概念を持ち込んだもの彼であろうと言われており、カードにもその影響が多分に見られる。
遊戯用カードから来ているであろう小アルカナについて、神秘性を持たせたのも彼の功績。
元々トランプ占い師であった彼によって小アルカナにトランプ占いを基にした意味付けがなされた。
その彼が初期に創り上げた、現代タロット史の始まりを告げたカード。
ライダーウェイト版、トート版、マルセイユ版が基本だと考えていると、すごく面食らう。
取っ付きづらさで言えばこれほどのカードはないかも知れない。
この取っ付きづらさがどこから来ているのかと言えば、現代の大アルカナ22枚とは全く異なるカードがあったり、順序も違うものになっていたりということだろう。
まず、0番と言えば愚者、慣れた人ならそう思うだろうが、このカードにおける愚者の順序は78番、一番最後なのだ。
また、1番目のカードは魔術師ではない。
まるで聞き覚えのない「混沌(カオス)」が1番に鎮座している。
魔術師は15番へ、世界は5番へ、恋人は13番、月は3番、星は4番…
勉強したてのタロット初心者なら大混乱間違い無し。
占星術の照応関係も現在のライダー版等のメジャーなカードとは違っており、「今までの知識が役に立たない…」というのが率直な感想だろう。
しかし、メジャーなカードど違うからといってこのカードを異端と決めつけて遠ざけてしまうのは少々もったいない。
占い師史上最も成功した占い師の一人でもあるETTEILLAが、このカードを使っていたという事実。
数多くの悩み、苦しみをこのカードによって解き明かしていたという事実。
私達がすっかり慣れてしまった現代のタロット・リーディングでは観えてこない、完成・洗練されたが故の盲点を、このGRAND ETTEILLAというカードは明らかにしてくれるのではないか。
始まりのカードは今なお、無限の可能性を私に感じさせる。
一見意味不明に並び替えられ、あるべきカードさえ不可解に改変されたようにも見えるGRAND ETTEILLA。
しかし、それはタロットに通じていない不勉強な者たちを追い返すカモフラージュなのかも知れない。
このカードの奥底に触れようと研究する人々は、後を絶たない。
彼らは今日も人知れず、偉大なる始祖の真相に近づいているのだろう。
カードのおおよその意味が正位置、逆位置に記載されていますので、リーディング際の参考にはなるかも知れません。
ただ、やはりこのカードそのものへの理解を深めることが重要だと感じました。
このカードについて学びたい方は以下のサイトが参考になるでしょう。
日本でETTEILLAのタロットを研究されている方では、この方が一番有名だと思います。
私のポリシーとして、タロットは「神秘に偏らず、論理と戦わず」。
あくまでも現実の中でどう役立てるか、だと思っています。
ですので、このカードも例外なく、神秘主義やオカルトに傾きすぎず学んでいただくと良いのではないでしょうか。
端的なキーワードを見ましても、現実の中で生きた知恵を伝えるカードのように思います。
時にはズバリと言い切ってくれる、決断を促すための占い。
情報が溢れたおかげで迷いも多くなった現代に必要なのは、そんな占いなのかも知れません。
迷った時に背中を押してくれる、シンプルで力強い知恵に溢れた良いカードだと、私は思います。
おそらく大アルカナに相当するであろう、カードの正位置に書かれているキーワードは以下の通り。( )内は似ていると思われるカードの名称です。
オーソドックスなタロットとはかなり違うことがわかります。
マンテーニャ・タロッキやイタリア系カードの影響も受けているんでしょうか。
★★★☆☆
【中~上級者向け】
一般的なタロットとあまりにも毛色が違うので、あえてここから始めて「etteillar(エッティラー)」になるのもアリかも知れません(笑)
ただ、そこまで文献がないので自分で研究する必要がありますね。
占星術的象徴との照応とか、ライダー版やトート、マルセイユ等の解説書では対応できないでしょうし。
まずはカードに記載されているキーワードや記号などからカードへの理解を深め、全体を体系づけていく学習が必要ですね。
占術はシステムになって始めて機能するものですから、断片的にこのカードが読み解けるだけのレベルだと、実践で使うのは難しいかも知れません。
このカードに限らずですが、カードはある程度同じものを使い込んでいかないと、カードに対する理解が中途半端になってよろしくないですね。
まあ、コレクター癖のある私が言うのもナンですけども(笑)
ともあれ、このグラン・エッティラは非常に魅力的なカードであることに違いありません。
ライダー、トート、マルセイユを一通り研究したら、私もこのカードへ回帰するかも。
現代タロットの礎を作ったエッティラの心を感じながら、リーディングしてみたいですね。
あとは、個人的にキレイすぎる(真新しい感じがする)カードが苦手なので、グラン・エッティラも使う時はエイジング処理をしてから使うかも知れません。
やっぱり、占い師の道具って古びててナンボでしょ~って思うので…
占い師たるもの、演出も大切ですよ!(笑)
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